コンクリの森deメメントモリ

北の国からお届けします。カエルとかGISとかの話をします。

FOSS4G 2017 HOKKAIDO 参加してきた

FOSS4G 2017 HOKKAIDO に参加してきました!QGISを使い始めて6年くらいたちますがコミュニティのカンファレンスに参加するのは初めてでした。
札幌きてから毎年気になってたんですけどなんやかやで都合がつかず、、、やっとの参加でした。
 
プレゼンスペースと談話スペースをゆるーくプレゼンの様子を映すスクリーンが隔てていて、発表中でも後ろからちょっと談笑が聞こえるくらいの柔らかな雰囲気、笑いの絶えないカンファレンスで楽しかったです。前日のハンズオンは仕事の都合で行けず、コアデイのみ参加。懇親会もいろいろあっていけず残念・・・
コアデイのタイムテーブルはこち
今のトレンドを感じさせるネタとしてはやはり、最近ブラタモリでも大活躍の赤い方の立体図ではなく、フリーの方のCS立体図を扱った発表だろう。
 
「地形が見える!『CS立体図』の開発」長野林業総合センター 戸田堅一朗
CS立体図ではなんといっても、開発者である長野県の戸田堅一朗さんが来て発表してて
FOSS4Gコミュニティの広がりとその力すげーな!って思いました。
長野県のCS立体図のページ
全国で自治体、個人でのCS立体図作成、公開が進んでいるとのこと。長野県より一足早く静岡県、宮崎県がCS立体図を公開したとを悔しがってらっしゃいました。
CS立体図の作成自体はQGISの標準の機能でできるけどMIERUNE 朝日孝輔さんが公開してるプラグイン「CSMapMaker for QGIS」でもできるとのこと、知らんかった!
ArcGISでは森林総合研究所大丸裕武氏が作成した「CSMapMaker for ArcGIS」で自動作成できるとのこと。
 
どちらもG空間情報センターで公開しているもよう。活用させていただきます。
 
戸田さん曰くどんどん活用して、カスタマイズで良い方法を見つけたらぜひ教えてくれ、共有してくれとのことでした。これこそフリーソフトオープンソースのコミュニティの在り方!
 
「CS立体図を自作して公開してみた」北海道後志総合振興局森林室 喜多耕一
北海道職員で森林土木memoの喜多耕一さんは冒頭で「赤い方が公表された時にその作り方をブログで紹介したら本家から怒られた」とかいうエピソードを紹介していてやはり面白かった。
CS立体図の作り方を概説してくれました。プラグインを使っても作れますが、QGISのモデルビルダー機能を使えばプラグインなしでも自動作成可能!
現在は北海道、九州、沖縄のCS立体図を公開してくれていますが、全国版も公開に向け作業中とのこと。
執筆されたQGISも発売中!

 

業務で使う林業QGIS 徹底使いこなしガイド

業務で使う林業QGIS 徹底使いこなしガイド

 

 

 
個人的に刺さったものがこち
「Rを使ったオープン地理空間情報の活用」 株式会社ナイトレイ 瓜生真也
Rを活用したウェブスクレイピングに関する発表。ウェブスクレイピングという言葉を初めて知った。
業務でGISを使うことはあれどなかなかRの活用の機会がない、複雑な統計処理とか仕事で必要ないけどR精進したいなぁ、、、でも勉強はやりたいことベースじゃないとモチベーション続かないし、、、と思っていたのですが、これよいな!
ウェブ上にあるデータをRにとって来てもらって処理しやすい形への編集も自動化するパッケージを公開してる!最高!業務効率化!生産性向上!!ウェブスクレイピング
 
データ分析の前処理に血道をあげるひとをマエショリストというらしい。
こういうのを理解して自分で作れるようになりたいっす。
kokudosuuchi:国土数値情報ダウンロードサービスのAPIラッパー
jpndistrict国土数値情報(行政区域)のデータもってこれる
の二つを紹介してくれました。
ご本人のHPでも紹介してる。
瓜生さんが関わってるウェブスクレイピング含まれた本2冊あるっぽいのでどっちか買って勉強します(宣言)。
Rによるスクレイピング入門

Rによるスクレイピング入門

 

 

データサイエンティストのための最新知識と実践 Rではじめよう! [モダン]なデータ分析

データサイエンティストのための最新知識と実践 Rではじめよう! [モダン]なデータ分析

 

 

 
オープンデータを活用した解析はデータ取得の自動化では収まらず、これからは解析自体もオンラインで済ませる時代か。Google Earth Engineを使えばデータ取得、解析まですべてGoogleのサーバーがやってくれますよ、という技術を紹介してくれたのがことちの発表。
 
「全球レベルの時系列衛星画像データを処理してOSSに渡すまで」京都大学 堤田成政
まだ商用利用はできないそうですが、これからの発展に期待。
 
とりあえずこんなところ。
本編の詳しい内容、発表資料等はこちらのtogetterにまとめてあった。
 
配信のアーカイブこちら。
 
メモ的に関係ありそうなリンクをまとめておく
FOSS4G北海道公式HP http://foss4g.hokkaido.jp/
MIERUNE地図 http://www.mierune.co.jp/ 
都市計画基礎調査データ http://www.mlit.go.jp/toshi/tosiko/kisotyousa99.html
都市計画情報提供 札幌市 http://www.city.sapporo.jp/keikaku/web-gis/
G空間情報センター:https://www.geospatial.jp/gp_front/
地理空間情報データを扱うRパッケージリスト https://cran.r-project.org/web/views/
杉本先生のbibliomaps神戸:http://demo.lab.sugimototatsuo.com/2016kobe/
 

【狩猟・ハンター】忍び猟で初猟果 猟におけるスタンスとか感想とか・・・

とにかくうれしいことだったので、こちらにも記録として。

ベテラン猟師の協力・お膳立て無しで忍び猟で初猟果を得ました。

詳細はリプライで続くツイートをご参照ください。

狩猟2年目にして、胸を張って自力で獲ったと言えるエゾシカを仕留めました。これほどうれしいことはありません。すべてが自己責任の狩猟において、「自分で考えて行動した」「自分なりのスタンスを持ち始めている自覚がある」この二つをしっかり感じられ、自信につながる猟果となりました。

 狩猟という行為は万人に受け入れられる価値観ではないですが、その行為に対して真っ向から「俺はこういう気持ちでやってるんだ」と言えるスタンスを持つこと、受け入れられるかどうかは別として、筋の通った理論を持つこと(狩猟に限ったことではないが)が強く自己肯定感につながるということを痛感した週末でありました。

雪がやんで間もない林内は非常に美しい場所でありました。(Photo by iPhone

f:id:hirudoider:20161205020129j:plain

【今週気になった】環境系ニュース(2016.8.29~9.4) 15年度海外コンサル受注・ツマアカスズメバチ・五輪での持続可能な木材調達

・「15年度のコンサル海外受注、11・2%増/過去最大、初の1千億円超
え/国建協 」(建設工業新聞 2016.8.29)

日刊建設工業新聞 » 15年度のコンサル海外受注、11・2%増/過去最大、初の1千億円超え/国建協


”日本企業による海外の建設コンサルティング業務の受注額が15年度に過去最
高を記録したことが26日、国際建設技術協会(国建協、吉野清文理事長)がま
とめた受注実績調査結果で分かった。受注総額は前年度比11・2%増の
1038億円で、1000億円を超えたのも初めて。1件の平均受注額も過去最
高の1億21百万円(前年度比22・2%増)に上った。政府開発援助
(ODA)案件を中心に例年より規模の大きい案件に受注が集中したことが最大
の要因だ。”

 

・「環境アセス基準緩和は「適当」 栃木県審議会部会」(下野新聞 2016.8.30)

www.shimotsuke.co.jp


” 県環境審議会の環境影響評価部会(部会長・山島哲夫(やましまてつお)宇都
宮共和大シティライフ学部長)が29日、県庁で開かれ、県が諮問した工業団地造
成に伴う環境影響評価(アセスメント)義務の面積基準緩和の方針について「適
当」と評価する報告書を取りまとめた。9月の審議会で報告する。”

 

「外来スズメバチ対馬で女王蜂7000匹超捕獲」(読売 2016.8.30)

www.yomiuri.co.jp


”繁殖力が高く、どう猛な特定外来生物ツマアカスズメバチ長崎県対馬市に生
息している問題で、環境省と同市は、4~5月に市内90地区に仕掛けていた
ペットボトルのわなを回収した結果、推定で7000~1万2000匹の女王蜂
を捕獲したと発表した。”

 

前回は福井新聞の、東京オリンピックでの持続可能な調達に関する疑問についての社説

環境配慮の五輪へ 世界に誇る東京大会望む 論説 福井のニュース |福井新聞ONLINE:福井県の総合ニュースサイト

を紹介しましたが、組織委員会が示した「持続可能性に配慮した木材の調達基準(案)」について、立場の異なる二つの見方を紹介します

・基準の甘さを指摘する論

「発信箱 これで持続可能?=須山勉」(毎日 2016.05.25)

http://mainichi.jp/articles/20160525/ddm/005/070/034000c

 

・(環境認証などが遅れている)国産材の活用が期待できるとした論

「<東京五輪>東北産材活用 期待高まる」(河北新報 2016.8.17)

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201608/20160817_72011.html

 

 

【今週気になった】環境系ニュース(2016.8.22~28) オリンピックの持続可能性・オオカミ再導入 など

 「狩猟期における猟銃等に係る事件・事故の防止と指導取締りの推進について(通達)」(警視庁生活安全局保安課長通達2016.8.8)

北海道の一部では9/15より狩猟が解禁されます。ハンターの皆さまはぜひとも適正・安全な狩猟を心掛けましょう。
 
「環境配慮の五輪へ 世界に誇る東京大会望む」(福井新聞社説 2016.8.21)
”スポーツの祭典オリンピックは、世界的イベントの華やかさの裏で、競技施設や選手村の整備・運営、外国客の受け入れ準備、大量の廃棄物処理など環境への大きな負荷が現実問題として伴う。2020年の東京五輪も、来場者だけみても期間中1日当たり最大92万人(都予測)にも膨れ上がり相応の環境負荷が避けられない。だが低炭素化をうたった組織委員会の「運営計画案」は具体性に乏しい内容だ。早急に世界に恥じない環境配慮基準を整え発信することが大切だ。環境とスポーツが両立する祭典を目指したい。”
 
日本選手のメダルラッシュで終わったリオ夏季オリンピック、これからパラリンピックも始まり、2020の東京オリンピックが近づく中このような社説が出ました。東京大会は「コンパクト五輪」として環境配慮の取り組みをアピールしている大会ですが、組織委員会が作成中の「持続可能性に配慮した運営計画」
に疑問を呈する記事です。
 
IOCが大会開催国に求める「持続可能な大会」※1を実現するに当たっては、ロンドン大会のレガシーである国際規格:持続可能なイベント運営のためのマネジメントプログラム(ISO20121)の認証を取得し、計画・調達・開催が持続可能なものにする必要があって、開催国・開催地域そして地球に負のレガシーを遺さない大会にせねばならないのですが、調達において日本国内の業界保護のために国際基準ではなく規制の緩い国内基準を採用したり、一部決定プロセスが不透明であったり、という組織委員会の不備を指摘しています。
 
「長野)北アルプスライチョウのヒナが受難」(2015.8.24朝日)
"国の特別天然記念物ライチョウのヒナが北アルプス大天井岳(2922メートル)周辺で、キツネなどの天敵による捕食被害に遭った可能性があることが明らかになった。昨夏、この周辺では、ライチョウのヒナがニホンザルに捕食されたことが確認されている。"
ライチョウのメスが連れているヒナの平均数が、なだらかな地形が続きテン・キツネなど捕食者が侵入しやすい地点の方が、侵入しにくいであろう急斜面の地形の地点より少なかったという内容。
 
昨年から続く近藤幸夫記者の二ホンライチョウシリーズ。
昨年9月のニホンザルライチョウのヒナを襲っている写真は衝撃的でした。
ニホンザルライチョウを捕食 研究者が初確認」(2015.9.1 朝日)
 
時折にわかに盛り上がるオオカミ再導入問題。今回は孤独のジビエの東雲氏の論が発端。

 

togetterが複数の人の意見のエッセンスをよくまとめているので私が何か言うまでもないかと思ったし違和感の正体をなかなか具体的につかむことができていないのでコメントはしませんが、一つだけ言えることは「生態系保全」という単語が意味する状態、つまり「日本の(さらにその中のどこどこの)生態系はどうあるべきか」という認識が共有されない中で手段の議論をしても、目指すところが違うのだからそりゃすれ違いますよ、、、ということ。。。
 
 
関心の輪と影響の輪と体力・気力について
 
池田清彦氏の反外来種”排斥”論や泉佐野市「犬鳴山納涼カーニバル」での金魚放流問題の炎上案件等、今年の夏は外来生物に関する話題が豊富でしたね。(北海道基準だともう秋なのです)
本当は言及したい気持ちがあるのですが、もはや第一線で学んでいる身ではなく、自分が何かを言ったところで何も変わらないであろうという気持ちから、意図的に情報をシャットアウトすることが増えています。
「七つの習慣」でいう所謂”関心の輪”を、”影響の輪”の範囲内に収めて、自分ではどうしようもないことを憂慮することによる精神的なストレスをなるべくなくそう、という試みです。 
まんがでわかる 7つの習慣

まんがでわかる 7つの習慣

 

 

理由としては以下の通りです。一人で暮らして働き始めて思ったんですが、家事・家計を回すことに体力を温存して、オフの時間の精神的な負担を減らそうと思うとこうするしかなかったんですよね、、、

 

まぁ時折深夜にこんなブログを書きたくなるときもある、何かしら表現したくなる時もあるのですが。
 
※1:オリンピック大会と環境・持続可能性に関する経緯については以下の資料「東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会 持続可能性に配慮した運営計画 フレームワーク」の「2.大会の準備運営と持続可能性について」に詳しく書いてあります。

【今週気になった】環境系ニュース

「「ダンジョン飯」3巻はクラーケンを食らう!魔物料理の食品サンプルも登場」(ナタリー 8/12)

「ダンジョン飯」3巻はクラーケンを食らう!魔物料理の食品サンプルも登場 - コミックナタリー

ダンジョン飯のすばらしさを書いたブログがあるので読んでね

note.mu

 

 

 

 

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令」について(8/15 環境省報道発表資料)

環境省_「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令」について

8/15に爬虫類2種3交雑種、両生類4種、魚類1科・10種・1交雑種、植物3種が新たに特定外来生物に指定された。施工期日は平成28年10月1日。

 

個人的に思い入れがあるのが「ダーウィンの悪夢」というドキュメンタリーのテーマだったナイルパーチの名前があがっている。アフリカのビクトリア湖に食用(白身魚として国外に輸出)として放されて生態系を破壊するだけでなく沿岸漁民がナイルパーチに依存した産業に駆逐され貧困が蔓延している様子が描かれている。

 

ダーウィンの悪夢 デラックス版 [DVD]

ダーウィンの悪夢 デラックス版 [DVD]

 

 

アザラシ捕獲へ新手法 襟裳岬 環境省、タイマー式網など導入(8/16 北海道新聞

アザラシ捕獲へ新手法 襟裳岬 環境省、タイマー式網など導入 | どうしんウェブ/電子版(科学・環境)

”日高管内えりも町襟裳岬周辺でゼニガタアザラシの漁業被害が深刻化している問題で、環境省は15日、専門家による科学委員会を札幌市内で開いた。定置網での捕獲が順調にいかなかったため、定置網に入り込んだ個体を閉じ込めるタイマー式の網や刺し網での捕獲など、秋以降に新たな手法に着手すると決めた。”

 

エゾシカ生息数 5年連続で減少(8/16 読売オンライン)

エゾシカ生息数 5年連続で減少 : 北海道発 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

”道は、2015年度のエゾシカの推定生息数が前年度比4万頭減の47万頭になり、5年連続で減少したと発表した。捕獲強化などが要因で、生息数はピークだった10年度の66万頭より19万頭減った。”

最近のエゾシカの話題といえばゴールデンカムイしかないだろう。アザラシも食うよ。

 

 渋谷のジビエ飲み屋で開かれる人数限定ゴールデンカムイ軒はぜひ応募したい

「渋谷道玄坂ゴールデンカムイ軒」1日限定オープン - 作中の“狩猟料理”を無料提供 | ニュース - ファッションプレス

 

国際希少野生動植物種の追加等に関する中央環境審議会答申について(8/18 環境省報道発表資料)

環境省_国際希少野生動植物種の追加等に関する中央環境審議会答申について

渡り鳥保護条約の協定国オーストラリアからとの関係の中で「国際希少野生動植物種」に鳥類112種が追加された。「国際希少野生動植物」に指定されると・販売目的の陳列の禁止・譲渡し等の禁止(例外あり)・輸出入時の承認の義務付け の規制がかかる。

ペット需要が原因で個体数を減らしているオウム・インコの類のニュースで印象的だった半年前のニュース。

natgeo.nikkeibp.co.jp

 

 

 

 

 

【外来種】北海道 アメリカザリガニも放すと罰金よ というお話

2週間ほど前、北海道新聞で道の条例に基づいた外来種規制が始まるとニュースが出た。

 

「外来12種放すと罰則 道の生物多様性条例、適用開始」(どうしん 6/19)

dd.hokkaido-np.co.jp


"道の生物多様性保全条例に基づき、19日からトノサマガエルやイワミツバな
ど12種の外来種を野外に放すと、罰則が適用されるようになる。同様の条例で
罰則を設けるのは、滋賀県に次いで全国2例目。指定する外来種の中には、アメ
リカザリガニのように身近な生き物が含まれ、飼育する場合は注意が必要だ。"

 

規制の根拠について簡潔にまとめると

北海道生物の多様性の保全に関する条例(以下、道生物多様性条例とする)の第5章「外来種による影響の防止」のなかに

・第35条 (指定外来種を放つこと等の禁止)
・第36条 (中止命令等)
・第37条 (報告徴収及び立ち入り検査等)

という条項がある。その規定に反した場合についての罰則が第81・82条に書いてあって、

・第36条違反で30万円以下の罰金

・第37条違反で20万円以下の罰金

が課せられる。(条文参照

 

飼育自体は条例で禁止されてはいないので、飼育している人は最後まで責任を持って飼おうね!!!という防除対策の根拠を道が用意したということで、6月19日にはサケの科学館でアメリカザリガニをつかって啓発イベントが開かれていたようだ。

 

ここでいう「指定外来種」とは、道生物多様性条例に基づいて平成27年12月18日に指定された以下の14種の生き物たちのこと。(道HP参照

動物12種

・イノシシ・シマリスニホントカゲ・チョウセンスズガエル・トノサマガエル・ダルマガエルニホンヒキガエル・クロマルハナバチ・オオマルハナバチアメリカザリガニ

植物2種

・フランスギク・イワミツバ

 

外来生物法で既に規制されているアライグマが含まれておらず、シマリス・チョウセンスズガエル・アメリカザリガニ・フランスギク・イワミツバ以外はいわゆる国内外来種なので、外来生物法では放逐を防げない種について規制をかけるため、条例で罰則を規定したということだろう。

 

北海道はアライグマのパンデミックを受けて早くから外来種対策に取り組んできていて、

北海道ブルーリスト2010(北海道外来種データベース)のとりまとめ(2010年)

北海道外来種対策基本方針の策定(2014年)

情報収集→対策の方針決定→対策の実行

という計画的な対策をゆっくりではあるけれど地道に進めてきているんですね。

このあたり、外来生物対策の進め方についてはこの本がバイブル的に勉強になる。IUCNのISSG(Invasive Species Specialist Group)の研究成果をしっかりと使っているので、スタンダードになり得ます。

 

移入・外来・侵入種―生物多様性を脅かすもの

移入・外来・侵入種―生物多様性を脅かすもの

 

 

 

 

 

 

 

 

【書評】週刊東洋経済 「理系社員サバイバル白書」

新入社員のみなさま、入社して一か月と半分が過ぎましたがいかがお過ごしでしょうか。
入社早々理不尽な扱いを受けている人も少なくないようですが、
ホワイト企業の模範である弊社は入社からしばらくの試雇期間中は残業禁止を徹底しており、
新入社員からは「いい会社ですね!!」とのお声をいただいております。
 
まぁ、建設コンサルの繁忙期は年末・年度末なのでその時は血反吐はいて働いてもらうんですが!!
 
さぁ、私は入社3年目、転職する友人もちらほらと現れる中、自分のキャリアを改めて見直した上で、働き方も考え直していくタイミングですよね、、、
公共事業の減少のなか、海外展開!!民間事業の獲得!!などと5年後の未来(あす)はどっちだ!!
と、業界としても未来を見極め切れていない現状、いつ会社がぽしゃっても生きていける何かが必要だとぼんやりと考えているところ
目に入ってきた「理系社員サバイバル」の文字。
 
週刊東洋経済4/30-5/7合併号の特集を読んだ。

www.amazon.co.jp

SHARPの買収、SONYのリストラと事業売却、東芝の不正問題からの大規模リストラ等々・・・
「大学出て大企業メーカー入れば安泰っしょ」と王道で安全な職種だと思われていた、いわゆる「メーカー」に在籍する理系の技術者がこの記事の主なターゲットの特集だ。
 
簡単にまとめてしまうと、技術については
・会社はもはや安全な労働環境を提供してくれる場所ではないのだから、自分の力を磨け。
・エンジニアとして生きたいのであれば、まずはほかの人に負けない高い専門性を持て。
・さらに上昇志向をもって生きるなら、関連する周辺領域の知識を身に着け、事業価値形成に資する専門職として領域性を広げろ!
・T字型「人財」として価値を創造しろ!
・個人の能力が社内で評価されないなら、論文を発表して世界で認められればよいのさ!!
また、働くことそのものについては、
・会社を辞めても大丈夫なように自分なりの保険を用意しておくこと
・余裕があるうちに人脈作りをし、自分を商品としてアピールしておくこと
自己プロデュースができる人間はどの世でも活躍してきただろうけれど、今の時代は今まで以上に自己プロデュース力が重要になってきているのだということが何度も書かれていた。「キャリアデザイン」という概念を持たずに生きてきた企業戦士に向けてのメッセージだろう。
 
中~後年に向けたメッセージが多いが、現状中堅~古参がこういう状況に陥ってるから、若手はこうしたほうがいい、という若手に対する示唆に富む内容になっている特集であった。
私みたいな公共部門を主なクライアントとした建設コンサル、しかも自然環境分野を専門にしてきた人間には当てはめにくいっちゃ当てはめにくい内容だけれど、論文を書いて社外にも認められる価値を作ること、それらを事業につなげる知財マネジメントの重要性、キャリアデザインの踏み台として大学など教育機関を再度利用せよ、とか至極まっとうなことが書かれてて耳が痛すぎる。
 
そこそこキャリア形成について真面目に考えたことがあれば「うわぁー、やっぱそうだよなぁ」と認識を新たにする機会に、そこまで深く考えていない人にとってはキャリアプランを作るにあたっていくつかの軸を提供するものだと思う。
 
「キャリアは自ら作る時代」であり、競合するのは会社の同期だけでない、世界のやつらだ。同じ分野だけでなく隣接する領域の人間たちも領域を広げてくるから競合相手になりうる。
 
中国の学生としばらく一緒にいたことがあるけれど、彼らはネイティブ並みの英語力を持ったうえで、もう一か国語を勉強しながら海外に留学していこうとするすげー優秀な人ばかりだった。日本に進出してくる人材は海外に出ることのハードルが低い優秀な人たちなはずだ。
そういうことを考えると、一応英語はちゃんと扱えるようになっておく必要があるし、スペイン語や中国語とか、もう一か国語ぐらいはかじったことあった方が有利だなぁと最近思う。
 
でもねー、会社員が陥る長時間労働って社外に対する関心を弱めさせたうえで、余暇活動も学習活動もできなくするものだから、必然的に会社に依存させるための重要な役割を持っているよね・・・
業務効率化!技術力向上!!!新規事業獲得!事業事業化!!とか言うならもっと効率的に働ける環境をつくれってんだ!!
となどと同期に愚痴を垂れながら、今日も煌々と輝く弊社フロアの窓をみながら、帰路につくのだ。